1902年以来、ミュニエのモノポール。
2003年まで50年にわたりフェヴレに貸し出されていたものですが、ようやくその契約が切れ、2004年からミュニエが栽培・醸造しています。
ミュニエの手に戻ってからワインのスタイルは大きく変わり、ニュイの南部クリマに見られるような武骨さはなく、しなやかでエレガントなワインとなっています。
フェヴレ時代のクロ・ド・ラ・マレシャルは、まだ長期熟成型を標榜する先代の造りだったことも手伝い、いかにも怒り肩のワインだったのですが、ラズベリーの果実香に、スミレのようなフローラルさが加わり、口中ではギスギスしたタンニンは感じられません。これが本当に同じクリマかと訝るほど、エレガントなワインへと変貌しています。
香り高く、デリケートでエレガント。ミュニエのワインは一本筋が通っています。
立地からして、ヴォーヌ・ロマネのニュアンスやニュイ・サン・ジョルジュのニュアンスを兼ね備え、そして、ジャック・フレデリック・ミュニエらしいシャンボールのニュアンスもあります。
エレガントさ、力強さと、しなやかさ全ての要素が詰まった、素晴らしい1級です。
≪パーカーポイント 92点!≫
2013 Chateau de Chambolle Jacques-Frederic Mugnier Nuits St Georges 1er Cru Clos de la Marechale
シャトー・ド・シャンボール・ジャック=フレデリック・ミュニエ・ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・マルシャル
テイスティングコメント
PP(WAポイント)92
掲載媒体:eRobertParker.com #Interim - January 2016 (2016-01-29)
レビュアー:Neal Martin
飲み頃:2019-2030
リアルワインガイド52号より
≪今飲んで:90+点 ポテンシャル:92点 飲み頃:2018~2038≫
さあ、いつも瞬売じゃない、けど素晴らしいワインの登場だ。シャンボルとは全く異なるきれいな土と黒赤果実があり、ミネラルのツヤと上質感もしっかり。とてもいい香りなのだ。口に含むとJ・F・ミュニエ節とN・S・Gの見事な共演。やはり今は硬いけど、ほぐれたら豊かな味わいが前面に出たとても美味しいワインとなること必至。また、このAC的な緻密なタンニンが多く、骨格も確か。しかし、どうしてこんなに良いワインが売れ残るんだろう。「シャンボル」という冠がないからと思うけど、未だに名前で物を買う気質が日本には残っている。まあ、それは当然か。でも、実に残念だしもったいない。〈15年06月試飲〉